[ 徳島市富田町 ]

レストラン ノグチ [懐かしの名店]


店内250

大正のはじめ頃に野口久市さんとその弟さんが「西洋御料理カフエーノグチ」として開業、現存する洋食店では徳島最古。店内の造りは、かつてあった階段こそないが、ほぼ創業当時のまま。現在は3代目の静江さんが継ぎ、変わらぬ味を守り続けている。

カフエーノグチ外観 大正7年

カフエーノグチ外観 大正7年

 当時からメニューにある「ハヤシライス」は、今私たちが家庭で食べているような一般的なハヤシライスとは少し味わいが異なる。野菜やフルーツの自然な甘味と酸味、ほどよい辛味がマッチしたデミグラスソース、シャリシャリ感が楽しめる長めに切られたタマネギ。その味わいは普段食べているハヤシライスとは違うと思いながらも、何故か懐かしく感じられるから不思議。
「この味は、初代が大阪で修行をし、店を始めた頃のまんま。今の家庭料理のものとは違う。だからこそ今も目当てに通ってくれるお客さんがいるのだと思う。」と店主の静江さんは言う。

※左の写真は『帰らざるふるさと徳島』より。

ノグチ開業当時の絵

ノグチ開業当時の絵

 

 創業時から昭和初期までは30人を超える女給さんがおり、洋食をメインに酒やコーヒーを出していた。学生から社会人までが社交の場として広く利用していた。(徳島珈琲史に店内の写真掲載。

※右は「ノグチ」の店内に飾られている絵。開業当時のもので、勤めていた女給のハナさんをモデルに描かれた。


現在も変わらず人気のハヤシライスやオムライスのほか、お昼はコーヒー付きで¥800の日替わりメニューもあり、近所のサラリーマンや常連さんによく利用されている。

 カフエーノグチ連  レストランノグチ外観  ハヤシライス
カフエーノグチ連の踊り(昭和3年頃)
女給さんと常連客で編成されていた。
※『目で見る徳島の100年』 より
創業時からずっとこの富田町で。 今も昔も人気の「ハヤシライス¥900」。